病気なのはあなたではなくて社会の方
そう感じざるを得ない患者さんがいます。
帰宅して、風呂に入る気力も、風呂を沸かす気力もなく、這うようにしてシャワーを浴びて、布団に倒れ込んで、翌朝を迎える。
そんな毎日を過ごしている方が、週末の貴重な時間を費やして来院してくれます。
ひどい偏頭痛、ドライアイ、肩こり。夜、布団にはいっても全身がこわばって熟睡できない。少しずつ、食欲も落ちていって、さらに体調が悪くなってい く・・・もっと体力をつけないと、と思って体質改善に来院された方。
仕事中はずーっと、首を固定してひたすらキーボードを打ち続けていて、席を立つのはランチタイムと、トイレに1-2回って、、、
すぐ喉が腫れてしまうんです、どうしたら良いでしょう、という方に話をうかがったら、コールセンターで絶え間なく営業電話をかけ続けて話し続けているとのこと。
喉、腫れない方が不自然です。
こんな生活をしていたら、週末は身体のメンテナンスで終わってしまいます。
働くためだけに、ただ、ひたすら身体をメンテナンスして、そして翌週から同じ生活の繰り返し。。。
そして週末にはまた来院。。。。。
私は週末のメンテナンスもしなかったので、結果的に寝たきりになりました(苦笑)。寝たきりになって、ハッキリと「ああ、一生懸命に働いてトクするのは会社だけなんだな」と気が付きました。
残業ができる体力があって当たり前。
これって、誰が、いつ決めたのでしょう?
手で文字を書くよりも、パソコンで入力する方が、はるかに身体に負担がかかります。
人間の身体は、一日8時間、絶え間なくキーボードを打ち続けられるようにできているものなのでしょうか?
ましてや、12時間?16時間?
無理に決まっています。
人間の声帯って、8時間ひたすら話し続けられるようにできているのでしょうか?
そんなはず、ないですよね。
どう考えても、仕事のスタイルや、働かせ方そのものに問題がある、という患者さんと話していると、病気の定義って何なのだろう、労働の定義って何なのだろうと考えてしまいます。。。。
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コメント
今まさに自分が悩んでいる事だったので、こちらの記事を読んでドキッとしました。
労働と健康のバランス…難しいです。
働きすぎた体を治すためにお金が必要でまた働いて。
疲れたと言えば、ドリンク剤やサプリメント勧められたりして。
もしも収入が減ったらどうしようという怖さから自分の体を優先しきれずにいて。
…色々と生活見直すべき時なんでしょうね。
ありがとうございました。
投稿: K | 2010年7月 6日 (火) 04時51分