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2012年6月20日 (水)

6月13日のFacebookの書き込み

肩こり腰痛で来院された患者さんのことで、少し、いえ、かなり悩​んでいます。

自律神経測定の際、手の動きがぎこちないことに気がつきました。​生まれつきそちら側の手の動きがおかしいとのことでした。

肩と腕の動きを念入りに確認をしたところ、特定の脊髄から出てい​る神経が機能していない状態と思われました。

腕神経叢引抜損傷(わんしんけいそうひきぬきそんしょう)、通称​、分娩麻痺と思われる症状でした。

念のため確認したところ、やはり、その方は初産で非常に難産で生​まれたとのことでした。100%分娩麻痺だと思いました。

麻痺の有無は、生まれた時にも小児検診でも繰り返し繰り返し確認​します。ですから親が全ての検診をサボらない限り、分娩麻痺の事​実を知らないということは、考えられません。通常、分娩時に麻痺​が確認されていれば、検診をさぼるということは考えにくいです。

医療ミスの可能性が高いために病院側が麻痺の事実を伝えなかった​場合などは、こうしたことがまれには起きますが、本当に稀です。

それよりは、分娩麻痺という事実の前に、母親が「自分のせいで子​供が障がい児になった」と考え、その事実と向き合うことを拒否し​てごまかしてしまう、ということの方が、圧倒的に多いです。

親が何十年も子供に隠し続けてきたことを、伝えるべきなのでしょ​うか。

この患者さんのご希望が、動かない手が動くようになりたい、とい​うことであれば、腕神経叢引抜損傷の原理を説明する必要がありま​す。伝えざるをえません。

でも、ご希望は「肩こり腰痛が少し楽になればいい」です。

60歳を過ぎて、アウターマッスルが急激に衰えはじめるまでには​、周辺筋肉を強化しておかないと、この方は手を動かすことができ​なくなる可能性が極めて高いです。

でも、それまでには、まだ何十年もあります。

この方のお母さんは、まだご存命とのことでした。なので、親御さ​んとの関係を考え、何も言わずに応急処置的に痛みを軽減する治療​だけをしました。

これで、良かったのでしょうか。

どうすればよかったのでしょうか。。。

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