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2011年2月26日 (土)

胸郭出口症候群は、本当に、治る肩こりなのか?

TV番組で「胸郭出口症候群」が「治る肩こり」と紹介されたそうで、何人かの患者様から「私は胸郭出口症候群ですか?」と聞かれました。

どうやら、姿勢や動作の繰返しが原因の肩こりが「治らない肩こり」で、胸郭出口症候群は「治る肩こり」と紹介されたのだそうです。

ですが、これ、明らかに変です。

なぜなら、不正確な姿勢や動作の繰り返しが原因で本来はつくべき個所に筋肉がつかず、肩や腕が下にさがり、胸郭出口症候群になるからです。

つまり、この両者は密接に関係をしているので、別物として扱うことに、相当な無理があるんです。

確かに、胸郭出口症候群は治しやすい症状です。肩甲骨で肩をもち上げ、腕の重さが肩にかからないように姿勢を矯正していくと同時に、鎖骨周辺の硬さを改善したり、ねむるときにひじの下にクッションを置くといったことで改善していきます。

しかし、そもそも、胸郭出口症候群は、症候群という名前のとおり、結果であって、原因ではありません。症候群という以上は、「似たような症状・徴候をとりまとめた名称」でしかなく、原因は千差万別です。(症候群というのは、そういう意味です)。

ですから、胸郭出口症候群になってしまった原因に応じて治療方法は変わりますし、再発防止策も異なります。

たとえば、胸郭出口症候群は肩甲骨の内側にあるインナーマッスルに通っている神経損傷によってもなる症状です。神経損傷は、現代医学では、治りません。

つまり、厳然たる事実として、絶対に治らない胸郭出口症候群といものが存在するということです。

一方で、肩甲骨から鎖骨周辺の筋力が落ちているために、なで肩と呼ばれる状態になって、胸郭出口症候群になる人もいます。その場合は、まず、対処療法としてあたってしまっている神経をあたらないようにして、その後に筋力をつけることで治ります。

この場合は、比較的簡単に治る肩こりだと言って間違いではありません。

いずれにしても、症候群である以上、原因は千差万別。きちんと問診をして、徒手検査をして、症状と原因を確認してから治療を組み立てる必要があります。

治りやすものもあれば、治りにくいものもあり「胸郭出口症候群は治る肩こり」ということは、決して言えません。

その番組を見ていないので、胸郭出口症候群という症候群が、どんな風に紹介されていたのか、正確には知らないので、もしかしたら、番組を観た方が勘違いしたのかもしれないのですが、複数の方が勘違いしたということは、意図的に勘違いをさせるような番組の作り方をしていたのかなあ、と少し心配になりました。

テレビ番組や雑誌の特集は、あくまでも「情報提供番組」です。8割方あっている、ということが番組作成の基本方針で、医学的に細かくみると間違えているといったことは、わかりやすさを追求するためには、あえて省いてしまうことも少なくありません。

しかし、この、省かれている点に該当してしまう人もいるわけで、そのまま適用すると症状が悪化することも少なくありません。

たとえば、今回の番組で、胸郭出口症候群の区別方法として、鎖骨の上を押して、そこが痛かったら、という判別方法を説明し、さらに、そういう肩の場合は壁に手をついた腕立て伏せを進めていたといいます。

しかし、この個所、鎖骨を亜脱臼していても痛いです。そして、亜脱臼しているときに、そんなことをしたら、本格的に脱臼する可能性があります。

確かに、視聴者の中で、亜脱臼をしている人はとても少数派でしょう。しかし、中には、そういう方もいます。

この場合、テレビを見てそのまま適用してしまったら、大変なことになります。

医療は、マスマーケットには適しません。健康情報は、あくまでも、情報提供番組。この自分自身に適用する際には、きちんと、医療機関の判断を仰いだほうが安心です。

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