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2010年6月 1日 (火)

鍼灸の国際動向 - 現代鍼灸、五行鍼灸、陰陽鍼灸 -

たまには、こむずかしい鍼灸理論の話も良いかな、と思うので、よくある鍼灸院のHPのように小難しい漢字がたくさんある記事を書いてみます(笑)

鍼灸理論の歴史なんか興味ないよー、という方とばしてしまってください♪

現代の国際的な鍼灸の動向が分かりやすくまとめられている日本語の文章を見つけました。

こちらです。 

かなり長い文章ですが、

「毛沢東は、医学や農業のような実用書にも、インチキな迷信が入り込んでいると主張しました。だから検証が必要だと。」から後だけでも読んでみてい ただけないでしょうか?

※「」の中をコピペして検索してみてください。簡単に見つかります。

特に「具体的な分類」というところを見ていただきたいと思います。

○五行鍼灸:一般に脈を診て、それを五行の五臓に基づいて虚実を決めます。だから「私は何なのでしょうか?」と尋ねると、五臓を頭に付けた虚実で答えます。例えば「脾虚」とか「腎虚」です。  

○陰陽鍼灸:脈を診たり、舌を診たりして、情報量を増やします。一般に四診合参と呼び、「舌を見る、病歴を尋ねる、声や匂いを調べる、脈を診る」などによって得た情報を分析し、総合判断します。 

○トリガー鍼灸:圧痛点治療なので、どこの部位に痛みがあるかによって刺鍼点を決定します。

○現代鍼灸:辨証ではなく、辨病治療なので、診断名は現代医学と同じです。また現代医学の診断に基づいて治療するので、血液検査やMRI画像などの結果も参考にします。現代鍼灸の特徴は、辨証と辨病を併用することなので、検査をしている余裕がなければ辨証して治療し、検査結果が判明すれば疾患名に基づいて治療します。

私は「五行鍼灸」「陰陽鍼灸」の言葉も使いますが、基本は「現代鍼灸」と「トリガー鍼灸」という立場に立ちます。

「五行鍼灸」「陰陽鍼灸」も哲学としては好きですが、哲学・倫理学であり、臨床にあたっては全スタッフに「現代鍼灸(以下、本ブログではトリガー鍼灸を含む意味)」の立場を重視して施術にあたってもらいたいと考えています。

なぜなら「現代鍼灸」以外の立場に立つと、よほどのオタクでないかぎり患者様と会話が成立しえないことと、コ・メディカル(医療連携)をすることができなくなるからです。

現代鍼灸に初めて触れたのは、線維筋痛症に罹患したと判明した時に情報のやりとりをさせていただいたアメリカの鍼灸師・オステオパシー医師でした。メイヨークリニックの鍼灸師・オステオパシーはコ・メディカルを義務づけられていることもあり、全員が現代鍼灸の立場に立って症状を判断していました。

現代鍼灸の立場にたてば、西洋医学と東洋医学の垣根がなくなり、両者が完全に協力体制を取ることが出来る、真の患者重視の医療を実現できる、という現実を目の当たりにして、日本の現状とのあまりの違いに愕然としました。

現代鍼灸の特徴は、まさにこの記事に書かれているとおり、病気の症状と患者の体質(証)を併用すること。「検査をしている余裕がなければ辨証して治療し、検査結果が判明すれば疾患名に基づいて治療」という立場です。

例えば「低血糖症」を検査してみると以下のどちらかの原因が特定されます。

・食後に胃が膵臓に対してシグナルを出すのが遅れることによって発生している
・食後に胃は膵臓に対してシグナルを出しているが膵臓の動き始めが遅延することによって発生している

この検査の結果に応じて、各臓器をとおる経絡を特定し、その経絡に対して治療を行う、という立場です。中国、韓国でも全く脈を診ないわけではありませんが、臨床検査の結果と脈が異なっていた場合に、医療行為として脈に従って治療を選択することはできません。(その場合は健康保険の適用外になります)

このページに、脈を重視しない理由も書いてあります。

「鍼灸の基本理論は、寒熱や虚実、表裏の分析ではなく、「どこに症状があるのか?」です。そして、その部分を通る経脈(体内路線や経別、絡脈を含めて)は何かを判定し、その経穴へ刺鍼する」

現代鍼灸では、こうした治療方針を「経絡治療」と呼びます。

Twitterで何人もの現役(+卒業3年以内)の鍼灸・指圧学生にヒアリングをさせていただいたところ、日本の鍼灸・指圧専門学校では、
1.現代鍼灸理論を体系立てて教えている学校
2.現代鍼灸理論を部分的に教えていはいるが五行鍼灸との違いを教えていないので学生が理解していない学校
3.現代鍼灸理論のうち解剖学のみを教え、西洋医学を全否定している学校

の3パタンがあることが判明しました。(最後のパタンに立つ授業は、厚労省は認めていません。しかし、そういう授業をする講師を野放しにしている老舗鍼灸学校が存在しているということも事実です。)

この結果、1と2・3の学生では「経絡治療」という言葉が違う意味を指していました。

上述のとおり、現代鍼灸でいう「経絡治療」は病気・症状を解剖学・病理学の立場に基づいて判断し、その疾患の原因となっている臓器に到達する経絡を治療すること。

しかし、現代鍼灸ではない人たちは、脈診の結果弱かった箇所の経絡を治療することを「経絡治療」と言います。これは、現代鍼灸では「脈治療」と呼ばれている行為で、経絡治療とは呼びません。

こうした諸外国の鍼灸の現状は、英語の鍼灸入門書(というか女性向けのファッション情報誌ですら)には書いてあることです。

ですから、私自身は日本人鍼灸師も、こうしたことは知っているのかと思っていました。しかし、実際には、出身専門学校・師事した指導者によっては、現代鍼灸を全く学んだことがない、という鍼灸・指圧師もいるようです。

私は、これは、患者様の立場からしたら、とんでもない話しだと思います。

WHO(世界保健機構)が鍼灸の適用症例として定めている症例が記載されています。多くの鍼灸院が、この適用症例を広報に利用しています。

しかし、WHOは現代鍼灸の立場に立っているため、西洋医学の疾患名を鍼灸の疾患名として利用できるとうことを忘れてはいけないと思います。

 

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