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2010年5月28日 (金)

自律神経失調症の治療方針2

昨日の記事の続きです。

昨日のまとめ
臨床検査でなかなか鑑別をしにくく誤診されることが多い「自律神経失調症」ですが、不定愁訴の原因が筋骨格にあるかどうかを判断する方法を、鍼灸師が中心になって医師や歯科医等も協力し「自律神経の流れに沿って少しだけ電気を流しそのバラツキを測定する」という方法を研究、実用化しています。

本日は、その鑑別方法の具体的な方法を少しだけご紹介します。少し専門的な内容にはなります。

「自律神経失調症」と診断されている方は、バラツキの多少に関わらず、一定のパタンを示します。

本来の人間の体の自然な状態では、手の方が足よりも電気量が多いはずなのに、この電気量が逆転しているのです。具体的に何をやるのかは人によって異 なりますが、治療の最終目標は「逆転を解消する」ことです。

筋骨格の異常がないにも関わらず自律神経バランスが崩れているという場合、この検査数値が著しくばらつきます。その場合、心因性と仮定し、一般的な 東洋医学の経絡治療の考え方に基づいて施術を行います。

バラツキが低い場合は、心因性の症状である可能性は低いと仮定して、筋骨格の異常がないかを探します。

そして、筋骨格の異常が原因の場合、骨格異常・怪我を改善するための施術を1回しただけで数値の逆転が解消することが少なくありません(続けて施術 しないとすぐに元に戻ってしまいますが)。

この場合、怪我・骨格異常の施術を中心に行います。(心因的な側面はお金をかけて治療院で行ってもらうのではなくセルフケアをお願いします。)

 

例えば私は、小さい頃からバレリーナとしての骨格を作り上げてきたためストレートネックで首の湾曲が全くありません。常に首の奥に巨大 なしこりがあり、肩と背中がバリバリに凝っています。首を取り巻く筋膜のずれを解消するためのピラティス・ヨガを毎日行っています。それでも、骨格のゆが みからくる首・背中の冷えをゼロにす ることはできません。

このコリを放置すると、首の後ろが冷え、感情が急激に高低してきます。寝ている間にからだが冷えきり、入眠障害や中途覚醒が続き、朝起きることが出 来なくなります。(この状態を痛み止めと睡眠薬で対応した挙げ句、筋肉が弾力を失い線維筋痛症のような難病にかかったわけです。)

しかし近頃は、この状態で精神科に行けば間違いなく「自律神経失調症」と言われるだろうなあ、と思いながら首を温めコリを解消してもらいます (笑)。すると、即、精神的な症状は解消します。

これは私に限った話ではなく、ケンキチ・ヨシッチが長年の臨床で経験をしている、とても良くある事例です。

わたし達の経験だけではなく、温熱療法やマッサージ等で首の後ろのコリ・歪みを解消することで、ウツ・自律神経失調症等と言われていた不定愁訴が解 消した事例をまとめて学会発表した医師がいて「頚性神経筋症候群」という病名が付けられています。でも、まだまだ知らない医療従事者も多いようです。

むち打ち等の場合は、完治とともにこうした不定愁訴もおさまります。

しかし、残念ながら大人のストレートネックのような骨の変形は治りません。

この場合、正しい姿勢を覚えてできるだけ正しい姿勢を維持するように努力しながら、コリが酷くなったらプロにまかせる、というのが近道です。首が まっすぐで頭を支えきれない方で、ご本人が同意してくださるのなら、キネシオテープ等を使って、首を支える筋肉をサポートしてあげます(でも、首にテープ を貼るので目立つんですよね。テープなのでかゆくなるし・・・)

また、線維筋痛症のように筋肉の攣れがきっかけとなっている不定愁訴の場合は、全身の筋肉の弾力を回復するために、時間をかけて、毎日、筋肉を温 め、ある程度の弾力が回復した時点で筋膜リリースをして癒着した筋肉をはがしていくという施術を行います。とても時間はかかりますが、それでも、他の病気 を併発していない早期の段階で施術を行えれば、半年程度で施術は不要になる方が多いようです。

この「他の病気を併発していなければ」というのが実はとても大切なポイントになります。からだの不調がきっかけで精神的にも参ってしまっている方も 少なくありません。

そういう方の場合、電気量のバラツキは少なくとも、小腸系・三焦系・大腸系という系統の自律神経に流れる電気量が他の系統と比較して、相対的に低く なります(筋骨格の異常がなく精神的な症状だけの方の場合、バラツキが大きくかつこの系統が低くなります)。なので、そうした方の場合、からだの施術をす るよりもまず精神的なバランスを整えることを重視します。そのうえで、筋骨格に対する施術を併用していきます。

筋骨格の問題が当初のきっかけであったとしても、精神的にも参ってしまっている場合、内臓機能に不具合を抱えている方も多く、施術の刺激に耐えられ る体力が無くなっている方も少なくありません。

この場合は、治療にかかる期間はお一人お一人でずいぶん変わってきます。

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