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2010年3月 6日 (土)

腱鞘炎を完全に治すための治療

腱鞘炎の治療は、安静が一番です。しかし、安静にできるような状況なら、そもそも腱鞘炎にはなりません。

  • コンピュータープログラマーの方がPCのキーボードの打ちすぎで指の関節に炎症を起こしてしまいました。
  • 赤ちゃんに授乳する際に、赤ちゃんを支えている頭の重さのために手首が炎症を起こしてしまいました。
  • 台の上で左においてあるものを右の袋に詰めるという仕事をしている方が、頻繁に手首を返す動作をするために、手首に炎症を起こしてしまいました。

このシチュエーションで安静にしたら、収入が途絶えるか、子供が死にます。安静にしてください、とだけ言ってほかに何も伝えないのは無責任だと思います。

では、治療家は、何を伝えるべきなのでしょうか。

少し話がずれますが、以前にこのブログでも記事にしたとおり、私は分娩麻痺のために、背中のある神経が極めて細く、周辺の筋肉がほとんどついていません。他の分娩麻痺の方とお会いすると、ひどい腱鞘炎・コリに苦しんでいます。しかし、私は、そこまで酷い炎症は起こしていません。

なぜなら、弱っている筋肉を使わない方法を知っているからです。

人の体には、いくつもの筋肉が複雑に絡み合ってできています。何かの動きをするために、1つの筋肉が炎症を起こしてしまっているのであれば、周辺筋肉だけを使って同じ動きができるように学習すればよいのです。

あなたはタクシーを呼ぶために手を上げるときに、肘から手をあげていますか?肩からですか?それとも僧帽筋(背中)から上げていますか?

多くの方は、肘から手を動かし始めます。肘→肩→背中の順番で動くのです。

しかし、本来は、大きい筋肉から動かすことで、怪我の予防にもなりますし、消費カロリーを増やして肥満予防にもなります。ですから、手を上げるときには、背中→肩→腕→手の指の順番で動かすべきなのです。バレリーナの動作が美しいのは、この法則を守っているからでもあります。なので、優雅に見せたい場合も、とても大切な法則です。

私は、肩の神経が弱いため、肩から動かし始めると痛みがでます。そのため、背中から動かし始めています。背中の筋肉が動き始めた勢いを利用して、弱っている肩の筋肉を動かしているため、他の麻痺患者と比較して、圧倒的に痛みや炎症が少ないのです。

例えば子供の授乳ですが、手首で重みを支えるのではなく、手首は固定して二の腕で支えることができます。二の腕を肩側に少し引くようにして力を入れて脇を締めて手首で支えるのです。子供の頭を動かすときには、手首ではなくこの脇の角度を変えたり、体幹をねじって動かします。

袋詰めの仕事であれば、手首を返すのではなく、骨盤と胸・背中を柔軟にすることで、体幹を回転させることで、手首の利用頻度を著しく減らすことができます。

プログラマーの方の場合、日本語入力が多いかたであれば親指シフトに移行するなど指を動かす回数を減らすことも有効です。が、残念ながら、指先を動かさなくするという方法はありません。この場合、指周りという細い筋肉が炎症を起こしにくくするための工夫をするしかありません。

具体的には①PCを使うときには手の甲と肘の外側にカイロを張るなど指先が冷えないようにする②指周りの筋肉を強化する(EMSなどの電気治療器具を使います)③PCを使っている時に定期的にセルフつぼ押しをしてもらう、ことで、かなり予防は可能になります。

当店の場合、腱鞘炎の痛みをとるためには、鍼と電気治療を組み合わせます。しかし、これはあくまでも応急処置にすぎません。

筋肉の使い方、関節の使い方を変える、それが難しい場合は筋力を強化していくという対策を行わない限り、根治はさせられません。

文章で書くと簡単なのですが、普段使い慣れない筋肉を使って動作を行うためには、一定の訓練が必要です。ですので、体を触って、ここの筋肉を使うんですよ、とご説明をしないと、なかなか伝わりにくいかと思います。

わたしは、応急処置だけしかしない治療院は、手軽に服用できる鎮痛剤以上の存在にはなれないと思います。

忙しい毎日の中で、薬局で痛み止めを買えばよい代わりに1時間の時間をかけて鍼灸院・接骨院(整骨院)に来ていただいているのですから、ここでしか学ぶことができないことを、しっかりと知っていただけたらと思っています。

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