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2010年1月 6日 (水)

マッサージは副作用が起こりえる手技療法なので国家資格が必要です

こんにちは、裏番長です。長すぎる!とのコメントが多発したので記事を短くしました。


今日は、Twitterでとても質問が多かった「マッサージ」の資格の説明です。


結論から書きます。日本では、日本の国家資格を持っている人が、保健所に届け出をしたうえで行う手技療法には効果効用があり、それ以外は効果効用はない行為と定められています。


国家資格を持たない人の手技は、単なるリラックスが目的で効果がないという場合のみ、違法ではない「かもしれない」行為です。(つまり、手技「療法」であるとは自らも認めず、お客さまに対して効果効用を宣伝もしないのなら合法ということです。)


効果効用を宣伝している場合は、完全な違法行為になります。つまり、骨盤矯正、姿勢矯正などを宣伝している場合は違法行為です。


マッサージをするためには「あん摩指圧マッサージ師」という国家資格が必要です。整骨院(接骨院)や鍼灸院と同様に、3年間専門学校に通い、国家資格に合格して初めて名乗ることができます※1


それは、手技「療法」は、解剖学や生理学の知識がない人が施術をすることで、肉体を傷つける可能性が極めて高い行為だからです。

寝違えやぎっくり腰に気がつかず、ただの凝りだと思いこんで揉んでしまったら、炎症が悪化し、筋組織そのものに傷を付けるなど、さまざまな支障が起ります。


だからこそ、厚労省がカリキュラムを定め、一定の教育訓練を受けて試験に合格した人にしか施術を許可していないのです。


国が認めている手技(マッサージ、指圧、あん摩、柔道整復)を標榜しなくても、効果効用を与える可能性がある手技療法を、国家資格がない人が行うことは認められていません。 無料で施術することも禁止しているので、美容師さんが肩を叩く行為(=あん摩)は違法行為になります。


国会でも、こうした無資格者の施術を取り締まると答弁しているようです。しかし、取り締まられているとも思えません。なぜでしょうか?


まず第一に、国家資格者(特にあん摩マッサージ指圧師)の人数が足りないので必要悪として放置しているという面があります※3


次に、「骨格筋に対して影響を与える(=効果がある)手技療法と影響を与えない(=効果がない)手技の区別が難しいという問題があります。


骨格筋を整えるということは、当然ですが、副作用があります。ですから、国家資格がない人がこうした手技を使うことは違法行為です。


オステオパシーやカイロのように、日本では認められていない手技療法を用いて施術をしたいのであれば、まずは日本の国家資格を取得し、国が定める解剖生理学・手技療法に対する基礎知識と経験を備えた上で、こうした手技療法を併用する義務があります。


国家資格者が保健所に届け出て開設をしている手技療法店は、「あん摩」「指圧」「マッサージ」「鍼灸」「はりきゅう」「整骨」「接骨」「整復」のいずれかが店名に入っています※2


「オステオパシー鍼灸」「鍼灸カイロ」といった店名は日本の国家資格を持っていて、なおかつそれ以外の手技も使います、という意味です。


とはいえ、海外でカイロやオステ、リフレ、アロマなどの国家資格を取得して日本で開業している人に上手な人が多いのも事実です。海外の国家資格を持たず、日本で民間資格を取っただけでカイロやオステを名乗っている人は玉石混合です。


例外も多いので、絶対的な基準は無いのですが、中長期的に影響が出る施術を行う店舗は「カイロ」「オステオパシー」「均整」「骨盤調整」「骨格調整」「矯正」「整体」といった効果を想定させる店名を使うことが多いようです。


法律上はあくまでも「効果効用がない」という位置づけになりますので、こうした店舗を利用する際は、あくまでも自己責任になります。入店する前に、しっかりと評判を確認し、あくまでも自己責任、何か事故があっても国は助けてくれないということを覚悟して、また、法律上は効果がないということになっている、ということを了承したうえで施術を受ければ良いと思います。(法的に効果がないから営業を許されているお店に行って、あそこの施術は効かなかったと文句を言うのは完全にお門違いです。)


しかし、世の中には中長期的に骨格筋に影響を与えない施術というものがたくさんあります。骨格筋に対して直接的な効果がない施術であっても「施術を受けた」ということがプラシーボ効果になって筋肉がゆるむということは医学的にも証明されている事実なのでリラックスには役立つと思います。


ですから、根深い肩凝りや腰痛の原因分析や骨格矯正ではなく、あくまでもリラックスを目的とする場合には、こうした店舗を利用すると良いと思います。


いくつかの例外もありますが、日本国内に限って言えば、リラックスを連想させる店名やメニューの場合は、こうしたリラクゼーション目的の店舗だと考えて良いと思います。


ただ、こうしたリラックス用の店舗でも、寝違えや軽度のぎっくり腰、線維筋痛症、筋筋膜症候群、頸肩腕症候群といった人が施術を受けると、症状が悪化する可能性があります。鑑別をしてくれる人はいないので※4、普段と違う痛みがある場合などは、行かない方が良いと思います。


マッサージ(またはマッサージに類似した皮膚をこすったり押す行為)には副作用がない、と考えている方が多いようですが、実際にはロックインシンドローム(目以外の全神経の麻痺)や捻挫といった被害を受ける可能性があります。


施術を受ける際には、店名やメニューをしっかりと読んで、ご自分の体をしっかりと守ってあげて下さい。


※1 以下の4つの例外があります。
捻挫などの筋骨格・腱の損傷の後遺症に対しては柔道整復師(接骨院・整骨院)
妊婦が安全かつ健康に出産するために必要と判断された場合には助産師

医師がリハビリを必要と認めた場合には理学療法士

日本の医師免許を有する医師本人による施術

※2 中には、違法と知りながら、国家資格がないのに「マッサージ」という言葉を店舗名に入れているお店もあります。一般的に、タイマッサージ、インドマッサージ、中国式マッサージ、古式マッサージ、ヒーリングマッサージといった店舗は国家資格者でないことが多いようです。

※2 こうした保健所に登録している施術所の中にも、お客さまに対する真剣さが全くなく、いい加減な施術を行うところも多数あります。まともな問診もせずにぎっくり腰の人をローラーベッドに乗せる柔道整復師や、線維筋痛症だと言っているのに痛みがある箇所に鍼を打つ鍼灸師を何十人も知っています。ですから、必ずしも技術が高いという意味ではありません。先生商売をしてきた古い施術所などは、接客マナーが最悪かもしれません。ただ、嫌な思いをしたら、その場で保健所に電話すると言えば態度を変えます。また、最低限度の解剖生理学の知識は備えています。つまり、最低限度の知識が保証されているということと 身を守るすべがある、ということです。

※3 柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師の国家資格者を増やし、人の体に触れる施術(エステ、リフレ、整体など)はこれら国家資格者以外は行ってはいけない、とする案もあったようですが、日本ではこれらの業務への従事者がとても多く、既存の資格者から「資格をおとしめる行為」として著しい反発を受けたそうです。

※4 個人的には、施術者全員ではなくても、各店舗に最低1名程度は国家資格者を設置すると義務づける方が、お客さまの健康を守るためには大切だと考えています。

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