肝虚寒証(かんきょかんしょう)の越冬
こんにちは、裏番長です。
今日は自称カリスマオーナー、ケンキチの36回目の誕生日です。ケンキチ、おめでとう!
昨日の記事のとおり、クリスマスイブの夜、オーナーとキムチと一緒にケーキを食べました。その時、とっても久しぶりに、脈診(みゃくしん)をしてもらいました。
脈診というのは、両腕の6箇所の脈に指を当てて、脈の強さや早さ・パタンなどを読み取り、その人の体のタイプ(証といいます)を知るための、東洋医学で治療に当たってとても大切にしている診断方法です。
弁証法の説明はここ(Wikiペディア)にあります。
細かく言うと、いろいろな流派があるのですが、日本の鍼灸治療では「肝」「脾」「肺」「腎」と「熱」「寒」の組み合わせでこの証を見て、治療・施術方針を決めていきます。
わたしは、どの鍼灸師・中医師・漢方薬剤師に診てもらっても、全員が口をそろえて「肝虚寒証」と言います。なので、たぶん、間違いなく「肝虚寒証」なのだと思います。
「肝虚寒証」の外見上の特徴は、目の縦幅が小さく切れ長、色が白く弱々しい印象があります。疲れやすく、慢性的に疲労感があり、慢性疲労症候群や円形脱毛症、しもやけにかかりやすいという傾向があります。また、筋肉が硬くなりやすく、全身が凝りやすかったり、夏でも手足が冷えているという特徴もあります。
常に体調が悪く、どこかに違和感があり、こうした状態にストレスは感じるものの、仕事はこなせます。イライラしながらも適度に仕事をこなしている方が体調がよく、暇になるとかえって体の違和感が増します。
これは、肝虚寒証の体質者は、やや熱症(自律神経が交感神経側に傾いている状態)で体が温まっている方が体調が良いためだと思われます。
肝虚寒証の体質者は、激しい運動で汗をかくと、それで帰って体を冷やし、体調が悪化します。そのため、激しい運動や著しく汗をかくサウナなどよりも、ヨガや太極拳のようなじんわりと体を動かす運動が適しています。
また、基本的にはあまり体力がありません。そのため、葛根湯のように体力がある人を前提とした漢方薬は向きません。十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)で基礎体力を補いながら、香蘇散(こうそさん)や麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)で体を温めていく方が体調が良くなりやすいようです。
わたしは、葛根湯が劇的に効いたという線維筋痛症の人を知りません。わたし自身、葛根湯から、麻黄附子細辛湯に切り替えてから、劇的に体調が良くなりました。
わたしは脈診などができないので、証が分からないのですが、今までにお会いした線維筋痛症の全員が「目の縦幅が小さく切れ長、色が白く弱々しい印象」という外見上の特徴に当てはまります。もしかすると、肝虚寒証の体質者は、線維筋痛症や筋筋膜症候群に罹患しやすいのかもしれませんね。
東洋医学では、その方の証に合っていない投薬や施術は効果がないと考えます。漢方薬を飲んでみたけど全然効かなかった、という方は、証に合っていないものを選ばれたのかもしれません。
弁証法の基本は脈診です。脈診のように人の体に触ることを許されているのは、医師や鍼灸師等です。残念ながら、日本の法律上、薬剤師や登録販売者は触診を許されていません。ですので、薬局で薬剤師さんができるのは舌診などに限られてしまいます。
ですので、ご自分の証をしっかりと把握して、適切な漢方薬や施術方針を知りたい、と思った方は、是非お近くの鍼灸院または中医師がいる病院に行ってみて下さい。
また、わたしは、特に冬は冷えから体調を悪化させがちです。不調が爆発しないように越冬するために、ゆっくりと長めにお風呂で温まり、温灸やマッサージ、ヨガなどで体を温めるように工夫をしています。同じ体質のみなさん、無事に冬を乗り切っていきましょうね!
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コメント
Lammyさんへ
お久しぶりです。私はPCのことに疎くて、とにかくここに変わったということだけ、気づきました。私も今、体を冷やす鎮痛剤をやめています。去年の夏からです。私の通っている美容室でヘッド・スパと言って、リンパマッサージを受けました。そうしたら、少し楽になりました。その方から、ある有名企業のバレーボール部の専属のトレーナーだった、今の治療院の先生に出会いました。私もとっても冷え性。でも、そこの先生は私に、「僕が出来ることは、この時間だけです。あとは、すいかさんが体調を整えていく練習をしてください。」と言われました。こころもクリスチャン・カウンセラーさんに支えていただいています。なにより、イエスさまが心の真ん中にいる生活が、私にはよいのです。Lammyさん、また寒くなってきました。どうぞ、お体を大切にお過ごしください。 すいか
投稿: すいか | 2010年1月 7日 (木) 19時45分
すいかさん
お久しぶりです。少しずつでも体が温まっていくといいですね。その治療師の方がおっしゃるとおり、治療師ができることは、ほんの小さなきっかけづくりです。
でも、そのきっかけを上手に使うことで、体を徹底的に温め、緊張している筋肉と心を緩め、線維筋痛症の痛みとさよならすることができると信じています。
どうか、体を冷やさないよう、食べ物やストレスに十分気をつけて下さいね。
投稿: Lammy(前田あみ) | 2010年1月 7日 (木) 20時25分
はい。そうします。食べ物も温かい物を、ですね。とにかく、今を大切にしないと、明日はありませんから。。スローライフですね。
投稿: すいか | 2010年1月 7日 (木) 21時20分
>今を大切にしないと、明日はありませんから
ああ、そうでした。治療中、私も毎日、この言葉を自分に言い聞かせていました。
今日は大丈夫、今日くらい無理しても大丈夫、そう思い続けて寝たきりになった自分に戻らないため、そう言い聞かせていたんでした。
すいかさん、ありがとうございます。とても大切なことを思い出させていただきました。、
投稿: Lammy(前田あみ) | 2010年1月11日 (月) 00時21分